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はぁ、すごく眠い。


昨日は全然寝れなかった……。


“好き”かもしれないって……。



はぁぁぁぁ…。



「菜美?靴履いたままどこ行くの?」


後ろから肩をトン、と叩かれる。


「あ、実梨……本当だ、靴履いてた…」


ぼーっとしすぎて気付かなかったけど、下駄箱に着いてた…。


あー……


確信しちゃったからかな……。



自分を理解しすぎている自分が怖い。



「……菜美、私分かっちゃった!」



「な、何が……?」



「菜美に好きな人がいるって!」



ピースをしながらニッコリ笑顔。


微かな思いやりなのか、小声。




………じゃなくて!



なんで分かるの?!


そんなに顔に出てるのかな……。


あぁ………。



「あ、図星なんだ?で、誰っ?!」



グイッと迫ってくる、実梨。


キラキラした目が痛い。



「えっ………?!」


「教えてくれたっていーじゃんー?」


拗ねたようにほっぺを膨らましてる。


なんか、リスっぽい。



「え、誰?もしかして、大狼君?!」



名前に反応してビクッとしてしまう。


やばい……バレた……?


バレてませんように……っ!



「いいじゃん!お似合いだと思うよ!」


「……バレた…?」


「バレバレ!だから、ファンには気をつけてね?」



そうだった……。


ファンの人は、みんな大狼君が好き……。


だから、ライバルっていえる関係……。



「…う、うん………。」


「菜美なら大丈夫だよ!だから頑張ろ?」


「うん!ありがと実梨…っ!」



よしよし、と頭を撫でてくる実梨。




頑張ろう……。


ファンの人だって、すごい好きな訳だし……


ウワサだったのが本当って知られたら……。




これは………まずい……。




まぁ、そのためにも……。



なんとかしないと……。