「あのっ、ここから高校まで行き方分かんないんですけどっ…!」


なんだか必死。


先輩っぽいけど、なんか面白い。


「明日、一緒に行ってくれますか?」


一緒にか………。


イケメンと歩くのは夢だったけど、


目立ちそうだなー……。


でも、ここから高校は5分で着くし…。


「あ、そこの角曲がったらすぐですよ?」


ていねいに指で方向を教えてみる。


「………あ、ありがとうございます…」


一気にテンションが低くなる。


よくわかんない。



「あ、名前……聞いていいすか?」


「篠崎菜美です。」


チャラい人に教えても忘れるとは思うけど


聞いた瞬間に顔が明るくなった木戸…さん。


どうしたんだろう?



「菜美ちゃんかぁ…」