ああ、もう朝からビクビクして損した……。
足にピッタリのローファーを履く。
ベランダにいる木戸さんは無視。
………あれ
「おはよー、菜美ちゃんっ」
いつの間にか、玄関前に戻ってきていた。
朝からハイテンション……。
元気だなぁ…。すごく眠い……。
携帯を見ると、遅刻寸前…っ?!
「……おはようございます!」
今は関わってる暇がないっ!
鍵を閉めて階段を駆け下りていく。
「菜美ちゃん、せっかくだし一緒に……」
「時間無いんで!」
そのまま学校まで全力疾走する。
途中で見慣れたふわふわの髪の毛の女の子がいた。
朝からこんなにも暑いというのに、あのふわふわが崩れてない。
その子は振り返って、
「菜美!おはよっ!」
そう言って笑った。
この子は、花井実梨。【HANAI MINORI】
ふわふわのわたあめみたいな髪の毛。
クリクリとした大きい瞳。
そして……
同じクラスで、私の親友。
でも、実梨は……。