【菜美side】



時計の秒針が動く音。


ちょっと古めの暴走族のバイクの音。




それぐらいしか、この町の夜の音としか言えない。


ふぅ、寝付けない。



こういうときに、色々考えとこ…。



大狼君の事をどうにかしたいけど、どうすればいいのか分かんない。


もし、何かをした所でダメだったら?


もっと距離を置かれたら?



あ、ダメダメ。

悪いことばっか考えすぎ、私。


このクセも、直さなくちゃ。



……えっと。


大狼君は、悩んでるのかな……?


何か、あったのかな。


どうにかしたい。



けど、


辛いのは分かるから、無理して聞いたりしたくない。


誰だって、秘密ぐらいあるわけだし。


それを色々聞かれたくはない。




じゃあ、悩んでるのは放っておくとして……


何も、話してくれないわけじゃないし。



ただ、目を合わせてくれないわけだし。





むしろ、あんまり女の子と話してる大狼君を見たことが無い気がする。


……気のせいかもしれないけど。



それなら、話せてるのは結構……良いよね?



じゃあそっちで色々と仲良くなって……


ご飯とか、勉強会とか!


それに、キャンプとか!


みんなでしたら楽しそう!






でも……。





いつかは告白するんだよね?





でも






私に、できるの?