私はご飯を食べ終わると直ぐに眠りについてしまった。

  意識が遠のいて行く時誰かの言葉が聞こえた。


  ペーター【‥‥‥‥‥‥よ‥‥‥。】


  ??【記憶‥‥‥‥‥ように‥‥‥しな‥‥‥ね】


  ??【椿‥‥‥が‥‥‥‥起きちゃうよ。】


  誰か分からない。

  ただ、ただ‥‥‥意識が遠のいて行く‥‥。

  もう‥‥‥‥‥‥いし――――――。


  水無瀬【実夢様‥‥‥実夢様‥‥‥朝ですよ‥‥】


  実夢【ん‥‥‥‥‥誰‥‥‥?】


  水無瀬【実夢様の専属執事の水無瀬にこざいます。】


  実夢【水無瀬‥‥‥?】


  私は薄っすらと目をあけると昨日見た男性が居た。

  どうやら私は昨日ご飯を食べてから寝てしまったらしい。

  朝まで寝ていたとなると10時間以上眠っていたのだろうか。


  実夢【おはようございます。】


  水無瀬【どうか、私には記憶を失う前の様に敬語では無く会話

       の口調でお願いいたします】


  実夢【わかりま‥‥‥分かった‥‥。】


  水無瀬【朝食が出来ましたのでお呼びに参りました。】


  私は水無瀬さんと一緒に昨日の全員で集まった居間へと向か

  った。


  実夢【あの‥‥‥私‥‥ずっと寝てたの?】


  水無瀬【はい^ ^

       それはもう気持ちよさそうに眠っておられましたよ。】


  私は昨日座った席に座り全員集まるのをまった。

  

  実夢【水無瀬さん‥‥‥私、外に出掛けたいのですが】


  すると、水無瀬さんは少し考えてから頷いた。


  水無瀬【実夢様、いくつかお約束してください。

       暗い路地にはいかない。

       知らない人には着いて行かない。

       夕方までには帰ってくる事。】


  まるで小さな子供に言い聞かせるかの様な口調でそう言った。

  私は大きく頷き水無瀬さんの了解を得て朝食を食べ終わった

  後出かける事にした。

  すると水無瀬さんがある物を渡してくれた。


  水無瀬【この家の皆様の詳細が書かれている物です。

       あと、実夢様の携帯にございます。】


  実夢【あ、ありがとうございます!】


  私はやっと私の関係者の情報が手に入り私はそれを胸に抱き

  しめた。

  私は全員集まるまでそれを見ていた。

  名前と顔は全て覚えられたのだが記憶は戻ってこない。

  私は朝食後、水無瀬さんが用意してくれた服に着替えた。

  私は記憶を失くして初めて外に出た。

  外は晴天でとても気持ちの良い朝だった。

  私は何となく足の進む方へと向かった。