夏輝side

「好きなんでしょ?恋先輩が。」

花菜に言われた言葉が頭の中をぐるぐるする。



遡ること数分前


「夏輝!なーつーき!」

花菜に大声で呼ばれる。

「…?なに……?」

「なに?って……さっきからぼーっとしてるから体調悪いのかと思って…」

花菜に心配させてたらしい。

「あぁ…わりぃ。」

素直に謝ると、花菜は頬を膨らませて怒ったふりをしている。

………そう、怒ったふり。

なぜか花菜は嬉しそうというか、機嫌がいい。


「………なんかあった?」

「なんかあったのは夏輝でしょ!!」

花菜は目を輝かせる。

私、なんかあったっけ?

いや、ねーな。

ちらりと花菜に目をやると

「目がはーと。」

そう言われた。

はーと……?

私が?

思わず首を傾げる。



「好きなんでしょ?恋先輩が。」