俺の教室に行くには、必ず2年1組を通らなくてはいけない。


2年1組。

アイツの教室。


無駄に意識してしまう俺。

平然に。

いつも通りに。

呪文みたいに、自分に言い聞かせる。



教室の前を通り過ぎる直前、

アイツが教室から出てきた。


全くこっちを見ずに歩くアイツは、俺とぶつかった。


「ひゃっ……。」

肩をびくっとさせて、俺を見るアイツ。


…………………。


……………………………。



その顔は反則。


驚く夏輝の顔は、軽く頬が赤らんでいて。

その上、身長差のせいで自然と上目遣いになっていた。