走っている途中。

「夏輝ってもっと美人気取った奴だと思ってた。」

隣りからそんな声が聞こえた。

急に名前で呼ばれてドキッとした。

「気取る前に美人じゃねーし。
…てか、気取ってんのはあんただろ?」

私がそう言うと

「あんたじゃなくて、恋。名前で呼べよ?」

なんて、得意の爽やかスマイルで言いやがる。

「わかった。気が向いたら呼ぶ。」

私はそう言って、そっぽを向いた。