無意識に足を動かす。

心拍数と息が上がってきた。

腕時計はあと5分で始業の時間を示していた。

学校までは、あの角を曲がればすぐ…



間に合う!!





曲がり角を曲がる。




そのとき。









ドンッ!!!!





左肩が何かに強く触れて、私はバランスを崩しかけた。


でもそんなのに構ってられない。

私はバランスを戻して走り出す。

走り出してすぐに、

「おい」

後ろでそんな声が聞こえた。

無視する。

「おい」

今度は少し近くで。

気にしない。

「おい」

さらに近づいてきた。


私はそこでやっと、「嫌な予感」がした。
ただでさえ上がってきてる心拍数がさらに加速する。

私はそっと足を止め、ゆっくりと振り返った。