「黒沢くん、かっこよかったよ」
「………」
「シュートも何本も入って凄かった。」
「なんだよ、凄くなんてねーよ。
最後だって俺のせいで負けたんだよ。」
私は、パッと起き上がり真っ直ぐに黒沢くんの顔を見た。
「そうかもしれない。黒沢くんのシュートがあの時入ってれば勝てたかもしれない。
でもさ、自分だけ責めるのおかしいよ。
らしくない。いつもの黒沢くんなら、練習あるのみって言って頑張るじゃん!
黒沢くんの一回戦とかの試合もシュート凄かったから監督も試合に出したんだよ。
駿先輩も黒沢くんなら負けないって言ってたよ…なのに…」
情に熱が入って目に涙が浮かんだ。
「お前、泣いてんのかよ。泣くなよ」
そう言って、起き上がり、優しくて大きな手で撫でられた