「当ててみろよ。」
「黒沢くん…」
ごめんなさい。実は名前なんて知らない。だって昨日会ったばかりだって思ってたから…
「下の名前は?」
「恥ずかしいから言えないよ…」
その時に黒沢くんの腕が伸びてきた。
やばいっ!叩かれるっ
そう思った瞬間、黒沢くんが私の頭もくしゃくしゃしてきた。
そういえば昨日も頭触ってきたよね
頭好きなのかな…
「どーせ分かんねぇだろ。俺の名前は黒沢一輝(クロサワカズキ)。覚えとけよ。」
「わ、分かってたもん。」
「嘘付け。ほらさっさと教室行くぞ。」
そう言って先に教室に入っていく黒沢くん。
部活の時とはなんか違う、勇ましいというよりは普通の男の子の背中。