それから十年の月日が流れあんなに綺麗だっち小さな花の指輪は枯れてしまった。

それでも私は捨てる事が出来なかった。
捨ててしまったらきっと……





あの少年に会うことが出来なくなるからだ。




「りーお!神凪璃桜!」

「!な、なに?涼子」

私の目の前には友人の成瀬涼子Naruse Ryoukoがいた。

「なに?じゃないわよ!さっきからずーっと呼んでたのに!」

「ご、ごめんなさいね」

本当に随分前から声をかえてくれていたようだ。

「……またそれ見てたの?」

「……うん」

「そんな枯れた花の指輪なんかどうして大事にしているの?」

確かに枯れ果て当時の面影など全くないに等しい。
でも、私には大事な彼との唯一の繋がり。
私と彼が会っていた証……