「まーゆみっ何読んでるの?」 長いサラサラの黒い髪が目の前の視界を遮る。 そのせいで、本がよく見えない そしてわたしはしおりをはさみ本を閉じる。どこまで読んだか分からなくなったら困るから。 そのあと、 私はこの黒髪の持ち主である少女、ありさに自慢げに見せてやった。 「げっ。なにそれ……」 なにそれって。 「知らないの?『花言葉集』」 ありさの顔はさらにひきつる。 きりっと整ったシャープな美人の顔が台無し状態。