彼女の作品は、毎回ヒットした。



特に同年代の女子高校生からの指示を集め…




俺のクラスの女子も何人かが彼女の本を読んでいた。




そして俺も例外なく、ブックカバーをつけてちゃっかり彼女の本を読む。




今回の彼女の作品も素敵だった。




……でも。





「やっぱりアレに勝る最高作は出ないよな…」





俺はそうつぶやきクリアファイルに大事にとじてある冊子を見た。




彼女が俺にくれた最初で最後の最高作…





『君と過ごした日々』。






この素晴らしい作品は俺しか持ってない…





俺の、俺だけの未風の作品だ。




俺はしっかり冊子をにぎった。





ああ、叶うものなら…











『もう一度、未風に会わせてください。』