高校に入り、俺は迷わず中学の頃から入っていた野球部に入った。



甲子園に行くため…




野球部として俺は毎日熱く頑張っていた。




それに…野球をしてると辛いことを思い出さないですむからな。





「飯塚!何ぼーっとしてる!球をしっかり拾え!!」






先生の怒鳴り声が俺の耳に響く。





俺は集中してボールに向かった。















「京輔。」





そう声をかけてきたのは…ピッチャーの先輩だった。



「お疲れ様です。」




俺は帽子をとって一礼する。




すると先輩は





「お前さ…前、小説を書く彼女がどうとかって言ってたよな?」




「え?あ、はい。」





俺はこの先輩とは仲がよく、実は彼女の話もした仲なのだ。







「実はな…コレ。」





先輩はそう言いある雑誌の切り抜きを差し出した。




俺は受け取って見てみる。









『小説コンクール大賞発表』










そう大きく書かれた見出しの下に…





「っ…!!」






俺は驚愕のあまり、絶句してしまった。






大賞者の名前は…






『藍染未風』








確かに、彼女の名前だった。