先輩のいない校庭はなんだか寂しく思えた。



だが俺はいつも通り、走ったり投げたり打ったりする。




先生にもよく注意されたが…



夏休みは伸び伸びと練習ができた。



……だが。







「またない…か…」




俺は部活終わりに書店へ寄ってため息をついた。





夏休みには一度も楽しみにしていた未風の最新の小説は出なかった。





















「聞けーっ!我が相棒よ!!」




夏休み明け、そう元気よく教室に飛び込んでくるのは…徹だった。




「何だよ…つかお前、全く夏休み部活来なかったじゃねーか。」




俺が少し不機嫌そうに言うのを無視して。




「そんなことより!俺、彼女できたんだよ!!」




…なんて。




徹は笑顔でそう言うが…










「その間抜けな顔に先生に一発渇を入れてもらって来い。」





「なっ?!お前、いつもに増してなんかひどくねぇ?!」