そんなこんなで夏の大会は終わってしまった。



結果は…2回戦敗退。




とても悔やみの残る大会であったが…




「俺はこの野球部員としていれた2年半、とても楽しかったです。」




と…先輩達の顔はとても晴れ晴れとしていた。




俺も…あそこに立ったとき、笑顔で「楽しかった」と言えるだろうか。





…ついそんなことを考えてしまった。












「先輩!!」




俺がそう呼び止めたのはあのピッチャーの先輩だった。




「おお。京輔。今日はお疲れ様。」




そう爽やかな笑顔で俺の頭をたたく先輩。




「先輩こそ。今まで本当にありがとうございました。」





俺はそう言い頭を下げた。





すると先輩は顔を上げろと言い





「俺らの分まで野球、頑張れよ。」





と力強くそう言った。





俺がうなずくと先輩はあと、とつなげた。








「俺は小説家さんとの恋も応援してるからな。」







そう俺の耳元でつぶやく先輩は意地悪だなと思った。