「なぁ~…京輔ー…」



そうどんより顔で俺の目の前に来るのは…




「徹…今度はどうしたんだよ?」




幼なじみであり、友達である…本郷 徹(ほんごう てつ)。




同じ野球部所属で今は同じクラスだ。




「俺…彼女にフられた。」




「…お前、またか。だからやめとけって言っただろ?特にあの彼女は…」





「だって…!!超可愛いくねぇ?!」




「顔と性格はそうそう比例しないぞ。」





実はこの徹…女に都合よく利用されるダメ男なのだ。






「もう俺、彼女作らないわ。」




「その言葉、聞き飽きた。」





そうさらりと徹をあしらう俺。




彼は…いつも彼女にフられるとこうなる。





「あーあー。お前はいいよな。想ってくれる彼女がいんだから。」




きっと徹が言ってるのは…未風のことだろう。




…でも。







「そうとは限らないぜ?もしかしたらあっちの業界で彼氏できてるかも。」




「あ~それだったら傑作だな!」





そう言う徹に「ひどいな」と言って笑う俺。





でも…もしそうだったら。





俺は未風のただの悲恋相手でしかないんだろうな…