「今朝、人気の恋愛作家であった藍染 未風さんが…」











街に響くアナウンサーの声。




だが街の人は誰も耳を傾けない。




だが…大きなテレビの前で立ち止まりアナウンサーの声に聞き入る男が一人。




彼は黙ったまま…ただ、大きなテレビ画面を見つめていた。









そんな彼の瞳には。




輝きなんて一筋もなかった。





『絶望』






彼には…その言葉がぴったりだろう。










「次のニュースですー…」









そうニュースが切り替わった時、さっきまでいた彼の姿はなくなっていた。