「弘は強いなあ…」

「何で」

「だって、私努におめでとうって笑い掛ける事出来なかった」


また涙が滲む。

弘は呆れた様に笑った。



「バ~カ。俺だって結構しんどいっつうの」

「……」

「でも、俺が笑わなかったら宮島、気にするだろ?
俺は宮島が辛そうな顔してる方が辛いから」



弘は、きっと心がキレイなんだと思った。


私には到底真似出来ない。


だって、頭には二人の手を繋ぐ姿が焼き付いてる。
それに、嬉しそうに微笑む顔が浮かんで苦しくなった。


弘みたいに、どうしたって笑えそうにない。


努が気にするからって笑う余裕、一切ない。