もしかしたら、もう。


努と笑えないかもしれない。

隣にいられないかもしれない。



でも。

きっと、私は前に踏み出すべきなんだ。




「弘、ありがとね」

「何が」

「勇気もらった」

「別に。俺のエゴじゃん」

「それでも、勇気もらった」

「…そ。じゃ、どういたしまして」



カラオケを出た後、私は弘と並んで歩く。

もう、心に決めていた。



今日、言おうと。