努と話していたはずの弘は携帯を片手に持ったまま、私の顔をまじまじと見つめていた。


「何があったんだよ」

「え、何が」

「何でそんな泣きそうなんだよ」

「どこが~?」


明るく言ったつもりだったけど、弘は一切笑わず携帯を耳に戻す。


それから

「ごめん。やっぱりなし。俺、今日は宮島といるわ」

そう努に言って電話を一方的に切った。


それから私の腕を取る弘。

にやっと笑うと一言。


「遊ぶか」

「……はあ!?」