「……小鳥遊には、隠し事したくないから。薙晶とのこと言っちゃいそうだから。それに、小鳥遊みたいなエリートには私なんかより良い人がいるよ。」



「聖………」



聖は優しく微笑む。

しかしその中に悲しみが含まれていることは、薙晶には明白だった。



「よし。そんな聖に良いものをあげましょう。」



「?」



薙晶が鞄から取り出したのは、可愛くラッピングされた手のひらより少し大きいサイズの長方形の小箱。



「聖ちゃん。これあげる。」



「これ……ペンダント?」



どこかで聞いたことのある声のトーンと台詞を聞きながら、渡された小箱を開ける。


入っていたのは、少し大ぶりの四葉のクローバーの形をしたペンダントだった。



「あの時、聖教えてくれたよね。四葉のクローバーの花言葉。幸せだって。」


「うん。」



「けど、四葉のクローバーにはもう一つ花言葉があってね。」



私を思い出して。



「遅くなったけど、これでお揃いよ。」



薙晶は宝物の栞を見せながらウインクする。