「2人とも、ちょっとは浅雛を見習え。新人らしい、初々しく素直なこの態度を。」



「我黏さん、それ以上は…」



褒めちぎる我黏の言葉に、当の本人である浅雛が待ったをかける。


浅雛の視線の先には、無言ながらも火花を散らす小鳥遊と仇夂。



同じ新人ではあるけれど、階級は上の小鳥遊。

同じ階級ではあるけれど、先輩の仇夂。



どちらもとても警察官とは思えない言動ではあるものの、2人に注意しずらい立場の浅雛にとって我黏の煽りともとれる言葉を止めるしか無かった。



「楽しい、もここまでくると困りものね。」


「そう言ってる割には、顔が綻んでますよ。」



賑やかな部下達の様子を、呆れながらも微笑ましく見守る假躍と厠餉乘。



他の班なら厄介者扱いされ、とっくに移動になっているような刑事らしくない雰囲気。


それが実現出来ているのは、様々な場面で女性というだけで壁にぶつかざるを得なかった假躍ならではの柔軟な考えの結果である。