「みんな、おはよう。」


「おはようございます。厠餉乘さんが止めてくれて良かったですよ。取り調べする前から煩くて仕方がなかったんですから。」



部屋に入った厠餉乘へ挨拶もそこそこに、うんざりした様子で話すのは同じ班の我黏(ガデン)。


パソコンを使いこなし世の中のことも詳しい情報通ではあるが、口が少々悪いのが玉に瑕だ。



「朝から楽しそうね。」



「班長、おはようございます。」



言い合っていると、入口から入ってきたのは2人の女性。


1人は班長と呼ばれた假躍(カリヤ)。


男社会の警察には珍しく、班長に女性が就いている。


普段は柔和であるが、やるときにはやるタイプの頼もしい班長である。



「おはようございます。」


「おー。いないと思ったら班長と一緒だったのか。」


「ええ。この間の事件の資料整理、手伝ってもらってたのよ。」


もう1人、假躍の後ろから挨拶をしたのは浅雛聖(アサヒナ ミズキ)。

所轄より移動となった、小鳥遊と同じ新人刑事だ。


階級は巡査部長で、こちらは通常の人事移動である。