犯人が見つかったことに一旦は喜びの表情を見せたが、朔渕が犯人だと告げるとそれが怒りに変わる。



「証拠ならありますよ。」


「!!」



小鳥遊が取り出した証拠である資料に、朔渕は目を見開く。



「貸せ!」


「これは………」



小鳥遊からひったくる様にして奪った資料に、目を通していた清憲と曝。



「朔渕……一体どういうことだ!貴様、俺を裏切ったのか!?」



清憲の顔色は段々怒りを帯び、ついには朔渕の胸ぐらを掴み上げた。



「裏切った……?っふはははは………」


「な、何が可笑しいっ!」


「笑い事ではありませんわ!恩を仇で返す様な真似、許しがたき裏切り行為ですわよ!」



清憲の手から落ちた資料。


怒りのあまり握り締めた為にぐちゃぐちゃになったそれは、最早原形を留めていない。


小鳥遊はそれを拾い上げた。

厠餉乘の制止も聞かずに争う3人の人間を、冷めた目で見つめながら。