『これあげる。』



『どう?可愛いでしょ。』




『内緒内緒。』





『逆らえない。』


『奴隷でしかない。』




『そういう運命なの。』





『逃げて!』


『これで良かったの。』



『何も悪くない。』




『決めたの。』





『素敵でしょ。』





『良くもまあ知恵が働くこと。』








『絶対。保証する。』




『良かったじゃない。』




『なんで断るの?』





『どんなことがあっても。』







『約束。』










「(約束、したじゃない。)」



手の中にあるペンダントを大事そうに撫でる。



そう。約束したのだ。

墓場まで持っていかなければならない、誰にも知られる訳にはいかない秘密を。



物心付いた時、いや産まれる前から交わされていたのかもしれない。


そんな契約じみたことを。



「(なのに、なんで……)」



何故、ほんの僅かな願いさえ叶わないのだろうか。


手に力がこもる。



「………!!」



過去を走馬灯の様に思い出していた浅雛はついに気付く。


全ての思惑に。