「おい、小鳥遊!さっきの聴取の仕方はなんだ。」


「何か問題でもありましたか?普通に聴取しただけですけど。」



警視庁 刑事部 捜査一課

閑静な場所である筈の廊下で、取調室より出てくるなり大声で言い争いをしている2人。


1人は、最近一課に配属された新人で、ふてぶてしい態度を隠そうともしない小鳥遊(タカナシ)。


もう1人は、小鳥遊にとって先輩刑事にあたり、小鳥遊の教育係を任されている仇夂(アダチ)。



「問題大有りだ!あれじゃ機械的過ぎるだろ。被疑者も人間だ。もうちょっと人間味のある会話をだな…」


「犯罪者に寄り添っても癒着を生むだけですよ。」


「お前なぁ!!」



怒れる仇夂に、小鳥遊はどこ吹く風だ。



小鳥遊が来るまで一番の新人だった仇夂は、教育係を任命されかなり熱が入っている。



本来、小鳥遊は階級が警視の管理官である。

所謂キャリア官僚だが、

これからの時代キャリアも現場を知らないといけない

という上層部の突然の意向により一課に配属されたのだ。



しかし小鳥遊には不服だったようで、人を小馬鹿にした態度も仇夂の熱を上げている要因の一つだろう。