「あのさ……こんなこと聞いたらアレかもしれないけどね。」



何か気まずそうに遠藤さんが話す。


「あのさ、さっきの人殺す必要あったのかな。」



えっ!?

俺は、不意な出来事に驚き、声をあげた。
さっきの人とは、多分トラックの奴のことだろう。

「いやっでも。」

「あのね、品川君の考えも解るよ、でもねあの人だって根はいい人だったかもしれないし、あの人だって無理矢理やらされてる訳だし、やっぱり人を殺すのは悪いことだし、そのね…悪いことをねグスッ品川くんグスッにしてほしくなくて。」


遠藤さんは泣いてしまった。

ガバッ、俺は遠藤さんを胸に抱いた。

「品川くん!?。」

「わかった、遠藤さんの言うとうりだね、俺はもうどんなことがあっても人を殺さないよ。」
多分、この約束は守れないだろうけど。


「うっうん。」

遠藤さんは、笑顔になった。


「品川くん、くるしっ…。」


俺は遠藤さんを、かなり強く抱きしめていたらしい。


「あっごっごめん。」


二人して我に帰り、顔を赤らめる。


「あっもう皆いるかも、行こう。」


「うっうんそだね。」


二人で廃工場に向かった。