「また本なんか読んでる!!」
「キモッ!!」

悠が居ないから…
いつもの攻撃が始まった。

「こんな本要らないでしょ?」
「私達が捨ててあげる♪」

そう言うとクラスメイトは、私から本を取り上げた。

「嫌っ……」

手を延ばして取り替えそうと思うけど…

どうしても届かなかった。

私は、悠にもカナにもこの現実を伝えて無かった。


―――これ以上心配をかけたく無い…


そんな思いからだった。

本当は、ちゃんと相談だってしなきゃいけない…

解ってるけど…
私には、それができなかった。


「ごみ箱行きーっ♪」

私の本が宙を舞ってスッポリ音を起ててごみ箱に入る…

私は、見ている事しか出来なかった。

反論が出来なかった。

自分で弱虫って実感した。