~♪
「(やば、)(マナーモードにすんの忘れた!)」


授業が始まってまだ5分も経ってないような頃、あたしのケータイが鳴った。
マナーモードにしておくの忘れてたから普通に着うたが流れてきてしまったけど、
おじいちゃんは耳が遠いから(多分)気付いていないみたいだった。
ホッとしてケータイを開くと、一通のメールが来ている。
たぶん大介からだろうが。


>お前、後ろ姿だけは可愛いな


・・・・。あたしはおまえの暇つぶしの道具じゃないんですけど。
(後ろ姿だけはって!)(なんだそれ)
そんなメールにカチンときたけど、たまには前を向かなきゃおじいちゃんでもさすがに分かるかもと思い、
前を向いたらおじいちゃんと目が合ってしまった。(でも逸らされた)(なんなんだ!?)
そのときに横から視線を感じてそっちを見ると、メガネをかけた正樹(まさき)と目が合った。(ちなみに、正樹っていうのは友達)
あらら、可愛らしいじゃないか!あたしがにこっと笑ったら正樹もにこっと笑った。(・・かわいい!!)


>テメーのせいでおじいちゃんと目合っちまったじゃねーか
>だれに向かって口聞いてんだ犯すぞ
>ごめんなさーい
>ちゅうかお前正樹のところチラチラ見すぎや
>正樹メガネかけてて可愛いんだもん
>ふぅん。片思いの相手は正樹やったんや
>は?なんでそうなんの?違いますよあたしが好きなのは中木ですよ(中木=友達)
>は?
>嘘じゃん。ジョークじゃん。
>ほんならだれが好きやねん
>ていうかこの時間は恋愛相談の時間なんですか?
>いいから答えろ
>お答えできません
>へぇ、実は俺やったりしてな

そこでメールのやり取りは止まった。(てかあたしが止めちゃった)
そんなの、どうやって答えればいいのか分からないし、でもあんまり答えるのに時間かかるとバレるし。
(あーこんなの言えねー)(超オトメじゃん、あたし)
どう答えればいいか考えていると、また連続で大介からメールが届いた。