店長の神崎さんに、
わたしが店内でいじめを受けていることを相談しない理由は二つある。


一つは、わたし自身従業員の子たちと仲良くするつもりはない。
だから別に解決した点でわたしからの態度が変わるわけでもない。


二つ目は、店長でもありわたしを雇ってくれた神崎さんは
この目の前にいるみやびさんの恋人なのだから。

これは従業員だけが知っている秘密。
暗黙の了解。
店側はみんな黙認している。



もしお客さんや外の人にバレたらそれこそ2人とも辞めさせられる。




「わたしはお金が必要で働いてるんです。もっと人気になりたいのならみやびさん自信が努力してください」


「っ、」



わたしはそう強気で言い、去った。




後ろで舌打ちをし、わたしが見えなくなるまで恨みをこめた表情で
わたしを睨むみやびさんなんか、知らずに…