後ろに気配を感じ、後ろを振り向くと。




「…こんにちは〜」

「っ!」



そこには見知らぬ男の人。

20台半ばくらいだろうか。


茶髪で髪の毛は襟足が長く、整えてまるでホスト。
香水臭くて思わず顔が歪む。



「君、まゆちゃんでしょ?可愛いね」


「あの、何ですか」



「うわ〜超強気じゃーん。まゆちゃんみたいな子、好きだよ〜」


「っ、」




無理矢理わたしを玄関の中に入れ、
そいつも無理矢理入ってくる。



「や、やめてください!!!警察呼びますよ!」


「ふーん?そんな大きな声だしたら周りに聞こえちゃうよ。」




「……んっ!!!!んん!!!」



無理矢理口を塞がれる。

感触が気持ち悪く、力が抜ける。



「わ〜可愛い」


そう言いながら、抵抗できない力で
一気にわたしの体を押さえつける。



「やめてっ!!!」


「あのね?ごめんね?友達に頼まれててさ。君、高校生の頃からキャバクラで働いてるんだって?バレたらどうなるんだろうね〜」


「……っ」



弱みを握られていた。



「このこと、秘密にしてあげるからさ、ちょっとついてきてくんない。あ、ちなみに大声出したりしたらどうなるかわかってるよね?」

「………」



口は笑ってるのに目が笑っていない。


だんだんと今自分が置かれている立場を理解していくうちに恐怖が襲ってくる。