「ただいま」
昨日の残りの食材があるため、まっすぐ家に帰った。
日も落ち、カーテンも閉じられ、部屋の中は真っ暗だった。
「いるの?」
トイレもお風呂も空。
パソコンも閉じられている。
「……っく。ひっく」
ベッドの中から聞こえたのは、キミの泣き声だった。
私はキミと同じ目線になるように、床に座った。
「どしたの?」
「怖い」
「何が?」
「全部」
キミは何もできない自分を責め、
住むところも食べるものもお金も、全て私によって賄われている今、
そして未来をも恐れていた。
「あの時、ホームから飛び降りていればよかった」
「そんなこと言わないでよ!」
私は肩にかけたままの鞄を、キミがくるまっている布団に向けて思いっきり投げた。
私は今、何のために毎日を過ごしているのだろう。