ご飯を食べ終わると、食器を片付けようと秋ちゃんが腰を上げる。

それを制して、お母さんも同時に立ち上がった。


「いいのよ、秋史くんは座ってて」

「いえ、これくらいさせてください。手料理、すごく美味しかったです」

「本当? よかったわ~」


にっこり笑顔の秋ちゃんの一言に、母さんはすっごく嬉しそう。


「ひより、結婚相手は秋史くんみたいな人が絶対いいと思うわよー♪」


うっすら桃色に染まった、緩みっぱなしの顔をあたしに向けて言うお母さん。

う、うん……と、ぎこちないけどとりあえず頷いておく。


「秋史くんはまだ結婚なんて考えないか?」

「そうですね、まだ……。非常勤で掛け持ちの状態だし、しっかり安定してからとは思ってますけど」


お母さんに便乗して、ほろ酔い気味のお父さんがする質問に、テーブルに戻ってきた秋ちゃんは真面目に答えている。

そっか、秋ちゃんももういつ結婚してもおかしくない歳だもんね。


「彼女いるのー?」


そこへ大地の直球な質問が。

無邪気な大地だけど、お父さん達は興味津々って感じだ。

……まぁ、あたしもやっぱり気にはなるけど。