「ひより、知り合いなら今度こそ上手くいくように協力してよね?」

「は、はぁ……いや、でも」


サブさんがリカのこと気に入ってるんだったよね。

それを知っていながら秋ちゃんとくっつけようとするのも、心苦しいというか……。


「なに、まさか先生のことも渡したくないの?」

「え!? いやいや違うよ!」

「そうよね、あなたは今大崎くんのことが好きなんだから問題ないよね」

「…………へっ!?」


目を見開いてリカを見やると、彼女はしたり顔で笑っていた。


「この私をフッた、女を見る目のない彼には、ひよりみたいな子がお似合いよ」


すごい皮肉だけど、それは彼女なりの激励なのだとわかると、嬉しさと恥ずかしさが込み上げてくる。

あたしが柳を好きになったってことは亜美にしか教えてなかったけど、やっぱりバレてるよね。

あんないざこざがあったにもかかわらず、リカはきっとあたしを応援してくれているんだ。


「……リカって、多々問題はあるけど根はいい人だよね」

「まったく嬉しくない言葉をありがとう」


お互いにぷっと吹き出すと、笑い合って一緒に教室へ入るあたし達。

自分とはちぐはぐな性格のお嬢様のことが、またちょっと好きになった。