「よくあたし達のことわかっ……わかりましたね」

「正直言うとちょっと自信なかったけど、思い切って呼んでみた」


小首をかしげて笑う秋ちゃんは、なんだか可愛くて癒される。

そんなやり取りをするあたし達の周りでは、どういう関係!?と皆がざわざわしていた。

この間の嫌がらせの件もあるし、あんまり公にはしたくないんだけど……でもすぐに広まりそう。


そんなことを考えていると、秋ちゃんは教室に足を進めつつ、周りの女子に癒し系スマイルを振りまく。


「そろそろ始まるから、教室入ってください。これでも僕緊張してるから、皆さんお手柔らかにね」


その言葉に皆の顔がとろけて、「はぁい♪」とワントーン高い声で返事をしていた。

従順にササッと教室へ入っていく彼女達を見ていると、隣でリカがまたうっとりしていることに気付く。


「理想的過ぎるわ……! なんて素敵な王子様……!」

「なんか柳の時より目輝いてるね」


リカの目には、秋ちゃんが白馬に乗った王子様にでも見えているのかな。

すると、胸に教科書を抱きしめたリカがあたしを見据える。