先生に当てられることもなく、ただぼーっと過ごした一時間は、終わりの合図を告げる。
チャイムが鳴り、みんなは教科書やノートをしまい始めた。
先生はまだ少し話をしている。
でも、みんなが一斉にしまい始めているから、先生の声が聞こえない。
先生は少し声を大きくした。
私も、その中の一人で、教科書とノートをしまう。
そして、すぐに優奈と美紅の元へ行けるようにとスタンバイした。
「きりーつ」
先生の話が終わったらしく、委員長が声をあげる。
椅子を引く音が教室内に響き渡る。
「礼」
礼という言葉でみんなが「ありがとうございました」とバラバラに発言した。
私はそれをまともに言わずに、優奈の元へ移動した。
「優奈ー」
「ん?」
「罰ゲームって、いつするの?」
「おっ、やる気満々?」
優奈が悪戯に笑ったところで、美紅もやってきた。
「何の話?」
「罰ゲームいつするかって話」
「今日にしようよ」
美紅は駄々こねる小さい子みたいに言った。
「じゃあ、今日にする?今日の放課後」
放課後?
今日の?