お昼休みになり、私達3人は廊下に並んだ。




「誰からいく?」


優奈はニヤついた顔で私と美紅を見る。


「ここは平等にじゃんけんで」


私が言うと2人は頷き、握った手を差し出す。


「最初はグー」の合図で握った手が振り下ろされる。



「じゃんけんっ」勝負を決める言葉。




結果、1番目は優奈だった。


勝った私と美紅は、2番目を決めるため再びじゃんけんをする。



「3番目だ」


パーを出した美紅が言った。
私は握った手を下ろす。



「じゃ、始めまーす」



優奈が歩き出そうとした途端、「ちゃんと目瞑ってる?」と美紅が聞いた。


「目開くとかそんなずるしないよ、馬鹿っ」


優奈はぎゅっと目を瞑りながら言った。




「よーい、スタート!!」


美紅の掛け声と同時に、私は携帯で動画を撮る。



長い廊下を歩いていく優奈。


「すごいね...」


真っ直ぐ歩く優奈を見て、思わず声が出る。

私の反応に美紅は答えず、ただただ2人で優奈を見ていた。