「あ、そうだ。今日一緒に帰ろっか」

「えっ、一緒に?」

「ほら、昨日一緒に帰れなかったからさ。今日は一緒に帰ろうかなって」



そっか、カップルになったらこういうこともしちゃうんだ。



「なんか用事あった?」



覗き込んでくる小野くん。
小野くんの顔が近くにある恥ずかしさから、喋ることが出来ず、ただ首を横に振った。



「よかった!彩花ちゃんって何組?」

「えっと、5組...」

「じゃあ、迎えに行くね」



まさかのお迎えまで。




「えっ、いいよいいよ!」



そしてなぜ断る私。



「えー、でも迎えに行きたいなぁ」


わざとらしくこっちを見ながら拗ねる小野くん。

可愛い...!!



「じゃ、じゃあ、お願い...しよっかな...」



背の高い小野くんをチラッと見ると目が合った。
バチッと静電気が走ったかのように。



「じゃー決まりね。
俺が行くまで教室で待ってて」

「うん」




そんな約束をしていたら、いつの間にか学校の近くまで来ていた。


1人で来るときと違って、早く着いたように感じる。