「あ〜、日々野さんねぇ〜。可愛いよねぇ〜!!」
「「ねぇ〜!!」」
お願いだからそれ以上話すのやめて欲しいな。イライラする。
こいつらの口から妃菜ちゃんの名前が軽々しく出るのも避けたい。
タイミング良く、妃菜ちゃんが更衣室から出てくる。
まだいたの?!って顔されたけど、周りにたかってた女子をスルーして妃菜ちゃんの元に走り寄る。
「遅かったね、妃菜ちゃん!!」
「原君を撒きたかったから。」
名前覚えてくれてたんだ。
それだけでどんなにイライラしていても心が暖かくなる。
やっぱり、恋ってすごいな。
そう思った瞬間だった。