職員室で、教室の鍵をとり
階段をのぼる。
渡り廊下でふと足をとめた。
「みさ」
あなたの声が聞こえた気がした。
振り返ってみても、
見慣れた笑顔があるはずもなくて、
ばかみたい。
朝の冷たい空気が
重く漂う廊下で
そっとつぶやいた言葉は
ただぼんやりと
消えていった。
鍵を開けて、教室に入る。
誰1人いない教室は、
ただただ寂しくて、悲しくて
居心地がわるかった。
素早く荷物をおいて
教室からでた。
行く場所なんてなかった。
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