もしも起きた時そこは見覚えのない部屋だったらあんたならどうする?

今俺はその立場になったらしい。

数分前、起きたら見覚えのない白い壁の部屋に一冊のノートが床に置いてあるシンプルとは程遠い何も無い部屋にいた。

窓はひとつもなく一つのドアがあった。

普通ならこの場合どうするのが正解なのだろうか。

そんな疑問を持ちながら、何故か俺は不思議な程に冷静になっていた。

判断力も普通でパニック状態にはならなかった。

そんな中俺は一冊のノートに手を伸ばしてしまった。

興味本位か、それとも気まぐれか、どちらにせよ行き着く考えは同じかもしれない。

ただ、目の前にあるこの一冊のノートが気になった。そうだ、それだけだ。

自分のしているなんかが引っ掛かっているのは気のせいだ。

何かの違和感を考えるのをやめ、目の前にあるノートに集中した。

表には赤色に“ N ”と書かれて、不気味だ。それ以外は何も裏表には書いていなかった。

そんな不思議なノートを開いた。





ノートの中には“赤城深夜”の事が細かく綺麗に書いてあった。

誰かも知らないし誰が書いたのかも知らない。

性格、癖、苦手なもの、得意なもの、親友関係までも細かく書かれていて少し気味悪かった。

そして最後のページを読んだ時俺は心の底から逃げたくなった。











 






















『これを読むもの赤城深夜として生涯死ぬまで演技し生きていく。』











ストーカーより質が悪いものに俺は、引っ掛かってしまったようだ。












『これを読むもの』指しているのは俺だろう。


だけどその後の意味は何なんだ?


『赤城深夜として生涯死ぬまで演技し生きていく。』

こんな目に何で俺が合わなければならない?

俺は、普通の、普通の、



















































そう言えば俺って誰だっけ?