「あ……あの……」

「なんだ?」



恐る恐る橘部長に声を掛ける。
だってどうしても気になる事があったから。



「何かの間違いでは……」

「はっ……?」

「私の企画書が通るはずが……」

「……」



私が言えば橘部長は眉を寄せながら私を睨んできた。
いや、睨んでるのかは分からないけどとにかく目つきが怖い!!



「お前は何を言っている」

「へ……」



自分の出した間抜けな声が気にならないほど橘部長の顔は恐ろしいものだった。
眼鏡の奥の瞳が何を考えてるのかさっぱり分からない。



「お前が書いた企画書は確かに穴だらけだ。
問題点がいくつもみ当たる」



うっ……。
まぁ分かってたけどそんな低いトーンで言われたら傷つく。