声もいつもと少し違うし、顔もちょっとむくんでる?
もしかして……。


「二日酔い?それとも体調悪い?」

「……ははっ。夏香にはやっぱり敵わないな?」


私が言えば大樹は驚いたような顔をしたけど、でもいつもの優しい笑顔を浮かべてくれる。
困ったように頭を掻きながら。


「二日酔いだよ。昨日飲み過ぎたみたいだ」


苦笑いしつつも納得する私。
大樹もなぎさも昨日は浴びるようにお酒を飲んでいた。
二日酔いにならないほうが可笑しいよ。


「はい、薬。今日は安静にしなよ?」

「サンキュウ……夏香」


私は鞄の中に常備していた薬を大樹に渡す。
こんなやり取りを今まで何度行ってきたか分からない。
大樹はお酒大好きだし飲みすぎることはよくある。
そのせいか私の鞄にはいつも薬が入ってる。
大学時代からずっとだ。


「毎回毎回、悪いな?」

「何言ってんの!気にしないの!」


大樹はいつも私を助けてくれる。
私だって大樹の力になりたいよ。
まぁこんな事くらいしか出来ないけどね?