「ご馳走様でした」

「よし……ちゃんと食べたな」




私が手を合わせれば橘部長は満足そうに頷いていた。
何か本当に……橘部長には迷惑を掛けてばっかりだな……。




「あの……ありがとうございました」

「……ふっ。
もう心配かけるなよ?」




橘部長はそう言ってオフィスを出て行った。



柔らかに笑う橘部長の顔。
優しい口調。



それを思い出すだけで胸がざわつきだす。



あぁ……。
やっぱり私……橘部長が好きなんだな……。



オフィスで1人笑顔を浮かべながらそんな事を考えていた。