「泰東」

「うっ……」




上を見上げれば橘部長の真っ直ぐな瞳と目が合う。
そんな目で見ないでよ!!



ただでさえ好きな人に嘘なんかつきたくないのに!!
そう思いながら橘部長から目を逸らす。




「はぁ……」




上からため息が聞こえてくる。
橘部長、呆れてるんだろうな……。



なんて思いながら俯いていれば優しい声が上から降ってくる。




「泰東……お前は優しい奴だ。
佐藤の事が気になって食べれないんだろう?」

「そんなんじゃ……」




私が否定をしようとすれば橘部長は私の言葉を優しく遮る。




「だがなお前が体を壊したりしたら心配する奴がたくさんいるんだ。
だから無理してでも食べろ。
それに佐藤が来たときに元気じゃないと自分の気持ちすら伝えられない」




優しい言葉が口調が私を包み込んでくれる。
そっと顔を上げれば橘部長は口元を少しだけあげて私の手にサンドウィッチをのせる。




「ちゃんと食べるまで見てるからな」




そう言って自分のデスクの傍に椅子を持ってきて私を座らせる。