「でも……じゃあ誰が妨害したんだ?」




大樹の言葉で和やかな雰囲気が一瞬で変わる。
みんな辺りを見渡しながら疑うような目をしている。



この空気嫌だよ……。
何で仲間同士で疑わなきゃいけないの……。
そんなの耐えられないよ……!




「もうこの話はやめませんか?」

「はっ……?夏香何言ってんだよ!!」




大樹は私の方を見て大声を上げる。
気持ちは分からなくはない。
大樹も関わってきたプロジェクトだ。
怒るのは当然だろう。
だけど誰かを疑うなんて私は嫌だ。





「だって……今まで一緒に働いてた人だもん……」




それなのに……疑えないよ……。
私は下を俯く。
もうどんな顔をしていいのか分からない……。




「泰東」

「……はい」




私は顔を上げることなく返事をする。
橘部長は私の気持ちを見透かしたかのように言葉を発する。