『鈴よ……ココにハもう慣れタカ?』

少し真面目なトーンになって、
そう問いかける燈兜。


心配、してくれてるんだ……

「うん。だいぶ。
屋敷の中も迷わないし、童子達とはよく話すようになったよ
みんなとも…うん。
ちゃんと話せない人もいるけど
余所者だった私に、敵だった私に、
良くしてもらってると思うよ」

そう、燈兜から空へと視線を動かした。



『……』

黙ったままの燈兜。



どんな顔してるかなんて、私には見えない。
見るのも、怖かった。



『姫よ』

燈兜の低い、響く声。



ゆっくりと、燈兜の方へ顔を向けた。