御老主達のいる大部屋の外にいて
話を聞いていたが、
具体的な案も何をするかも話に出ていない
完全に無駄だった。
誠には情報収集と式達の様子、
一族の人のモチベーションの維持を
頼んでいた。
草子に現地にいって残った霊気や邪気から
なにか掴めないかを調べてもらうよう、
龍輝様にも頼んである。
ただ、
いつも部屋の前で見張っている
夜召も楚宙も、
伝令役などの仕事をして
廊下などにいるはずの怜芽も、
見当たらなかった。
一族にいる式の殆どは、『聖林の』式であり、
術師一人一人が契約を結んでいるわけではない。
御老主や幹部には、
その『一族で所有している式』達の中から
仕えさせる式を何体か決める。
いくつかの命令をされた場合は
自分がつかえている者の命を優先するというしくみだ。
その式達が、
どこに行ったのかがわからなかった。